こんにちは。
[前回(前編)の記事]では、日本ダービー前日のお祭りムードの中、朝イチ入場して無料座席をキープし、念願の「乗馬体験」や馬場内の「肉フェス」をハシゴした最高に楽しい午前中の様子をお届けしました。
さて、今回の後編は、いよいよ「レースそのものの楽しみ方」について、もう少し深く踏み込んでみたいと思います!
初めて競馬場に来た時は、パドックでお馬さんを見て、[以前の記事(第1弾)]でご紹介したように「単勝」や「複勝」といったシンプルな馬券をおそるおそる買うだけで心臓がバクバクしていました。
ですが、3回目ともなると私も少しずつ進化しています(笑)。
「ただ走るのを眺める」という段階を卒業し、少しずつ競馬の仕組みが分かってきた私が、同じ初心者の方に向けて「これを知るとレース観戦が100倍深く楽しめるようになる分析の裏ワザ」をリアルに解説します!
ネット時代になぜ?競馬場でみんなが「競馬新聞」を広げる納得の理由
競馬場に行くと、年齢や性別を問わず、本当にたくさんの人が新聞を広げて、手元に「赤いペン」を握りしめて何やら熱心に書き込んでいます。
今の時代、スマホでネット検索すれば、オッズも馬のデータも何でも一瞬でわかりますよね。それなのに「なぜ、みんなわざわざ紙の新聞を持っているんだろう?」と、ずっと不思議に思っていたんです。
お財布に優しいスポーツ新聞(160円前後)も手軽で良いですが、今回奮ブツして本格的な「専用の競馬新聞(500円前後)」を買ってみて、その理由がハッキリ分かりました。そこには、ネットの画面をスクロールするだけでは到底追い切れないほどの、ものすさまじい量のレース情報が1ページにぎゅぎゅっと凝縮されていたのです!
競馬新聞を開くと、そのお馬さんが過去にどんなレースをしてきたのかという「履歴書」のようなデータがびっしり書かれています。
- 右回り or 左回り: 競馬場によって、右にカーブするコースと、左にカーブするコース(東京競馬場など)があります。馬にも「左回りの方が得意!」という特徴があるんです。
- 芝 or ダート(砂): 青々とした芝生の上を走るのが得意な子もいれば、パワフルに砂(ダート)を蹴り上げて走るのが得意な子もいます。
みんな赤ペンを持って、これらの情報を見比べながら「この馬、今回の条件ならイケそうだな!」という馬に印刷のようにビビッと印をつけているんです。
そして、新聞につけた印を頭に入れながらパドックへ向かい、実際のお馬さんの元気さを目で見て最終チェックをして、スマホの「スマッピー」でスマートに馬券を購入する。これが、競馬場のあの真剣なルーティンの正体だったのです。
競馬場ないではマークシートを使って馬券を購入されている方も多くいます。マークシートより以前の記事で紹介したスマッピーの方が簡単だと初心者の私は感じました。
難しいデータ分析は初心者には少しハードルが高く見えるかもしれませんが、この「宝探し」のような独特の雰囲気を五感でマネしてみるだけでも、大人の知的な遊びとして最高にワクワクしますよ!
馬の性格が出る?知っておきたい4つの「脚質(走り方の特徴)」
新聞を読んでいると、お馬さんによって「レース展開の得意パターン」があることが分かってきます。これを競馬用語で「脚質(きゃくしつ)」と呼びます。
- ① 逃げ(にげ): スタートからとにかく先頭に立ってそのまま逃げ切るタイプ。
- ② 先行(せんこう): 先頭集団のすぐ後ろ(2〜3番手)の好位置をキープする優等生タイプ。
- ③ 差し(さし): 中盤までは集団の真ん中でじっと体力を温存し、最後の直線でゴボウ抜きにするタイプ。
- ④ 追い込み(おいこみ): 最後尾ギリギリに控え、最後の直線だけで一気にごぼう抜きするドラマチックタイプ。
私は「最後に後ろから一気に追い上げてくるお馬さんってカッコいい!」と思って、追い込みや差しタイプの馬に印をつけて馬券を買ってみたりしました。
ところが、ここに競馬の難しい罠があったのです……!
実はレースによって走る「距離」が毎回違います。短い距離のレースだと、後ろでじっと体力を温存している間に、前を走っていた「逃げ馬」がそのままあっという間にゴールへ逃げ切っちゃう、なんて展開も日常茶飯事。こればかりは本当に奥が深いです。
午後になるほど牙をむく!レース難易度の上昇と「大人のギャンブルのジレンマ」

そして今回、1レース目からフル参戦して痛感した、最大の実感があります。
それは、「レースは後半にいけばいくほど、難易度が跳ね上がる」ということです。
実は、今回私たちは第1レース目でいきなり見事に完敗しました(笑)。1レース目で完敗した私が偉そうに言えることではないのですが……!
前回行った時は、5レース目くらいまではお馬さんのオッズ(人気順)とパドックの状況をなんとなく見て買った馬券がポコポコ当たったりしたんです。でも、今回は午前中から大苦戦。 午後になるとさらに一段と難しくなっていきました。
なぜなら、レースの仕組みが午後からガラリと変わるからです。
- 午前中の初めのレース: まだ1回も勝利したことのないお馬さんたちが走る(未勝利戦)。
- 午後のレース: すでに1勝、あるいは2勝したことのあるお馬さんたちが集まるレース(条件戦)。
そう、午後になると「すでに勝ったことのある強い馬たち」だけの戦いになるんです。どの馬が勝ってもおかしくない実力伯仲の戦いだからこそ、突然「11番人気」のような全く人気のなかった大穴のお馬さんが上位に滑り込んできたりします。これを当てられたら最高に楽しいのですが、正直、初心者にはほぼ無理に近いです(笑)。
【初心者ステップアップ術】「複勝」×「掛け金」のちょっと危険なドキドキ感
じゃあ初心者はどうすればいいの?というと、やっぱり最初はシンプルに「1位になりそうな馬(単勝)」を選ぶのが一番分かりやすくて良いと思います。ただ、お財布と相談しながら、もう少し競馬に慣れてきたら、ぜひ「複勝(ふくしょう)」という買い方で少し勝負してみるのもおすすめです。
馬券は100円から購入できますが、複勝は「選んだ馬が3位までに入れば当選」という、初心者にとって一番当てやすい優しいルールです。
ただ、当てやすいぶん、元々人気の高いお馬さんだと、100円で勝っても「200円(2倍)」くらいにしかならないものがほとんど。
でも、もし競馬に少し慣れてきて、100円ではなく「1,000円」で複勝の馬券を購入したとしたらどうでしょう?
その1,000円が複勝で見事的中して2,000円になったとしたら……。
「100円が200円になる」よりも、「1,000円が2,000円になる」方が、なんだか自分のレベルが上がっているような気がしませんか?
倍率としては全く同じ「2倍」なのに、賭けている金額の大きさが違うだけで、当たった時の脳内への反動(インパクト)が全く違ってくる。これが競馬の面白いところです。
でも、もちろんそのお馬さんが4位以下になって3位までに入らなければ、投じた1,000円は一瞬で「0円」になってしまいます。……うん、これはまさにギャンブルですよね(笑)。ちょっと危険な香りがします。
だからこそ、大金を闇雲にかけるのは絶対NGですが、小慣れてきた中盤のレースあたりで、「このお馬さんは高確率で3着以内に入りそう!」という確信が持てる子がいたら、ほんのちょっとだけ掛け金を上げて勝負してみる。これができるようになると、レースを見る目が一気に真剣になって、競馬がさらに何倍も面白くなりますよ!
知っておきたい競馬の格付け!「GⅠ・GⅡ・GⅢ」ってどういう意味?
ここで、初心者の方に向けて、レースの名前によくついている謎のアルファベットについてお話しします。 テレビのニュースなどでよく「今日のメインレースはジーワンです!」なんて耳にすることがありますよね。私は最初「ジーワンって一体なんのこと?」とサッパリ分かっていませんでした(笑)。
実はこれ、レースの「格付け(レベル分け)」を表しているんです。 この「G」は「Grade(グレード)」の頭文字。競馬のトップクラスのレースは、ピラミッドのように3つの段階にランク分けされています。
- 【GⅢ(ジースリー)】: 重賞(特別な高級レース)の登竜門。ここを勝って勢いをつけるお馬さんがたくさんいます。
- 【GⅡ(ジーツー)】: GⅢよりもさらに賞金が高く、レベルもアップ。次なる最高峰レースへの切符をかけた熱い前哨戦が多く行われます。
- 【GⅠ(ジーワン)】: 競馬界の最高峰! 一握りの本当に強いお馬さんしか出走できない、最高ランクの夢の舞台です。
ピラミッドの頂点である「GⅠ」は、日本中のお馬さんたちが「ここを目標に毎日血のにじむような特訓を重ねている」という、まさにオリンピックの決勝戦のようなものなんです。
有名な「日本ダービー」の壁!テレビで話題のレースは初心者には難しすぎる!?
そして、午後の通常レースよりもさらに難易度が突き抜けているのが、私たちが今回前日にお祭りムードを味わった「日本ダービー」などの、テレビやニュースでも大きく話題になる有名なビッグレース(GⅠレース)です。
競馬には、1年を通して色々な有名レースがあります。
- 日本ダービー(東京優駿): その年に生まれた何千頭ものお馬さんの中から、たった1頭の「世代の頂点」を決める、競馬界で最も格式が高く、誰もが憧れる最高のレース。
- 有馬記念: 年末にファン投票で選ばれたスター馬たちが集結する、日本中が熱狂するお祭りレース。
- 天皇賞やジャパンカップ: 日本国内だけでなく、世界中の強いお馬さんたちが集まって実力を競う最高峰の戦い。
これらのレースはなぜ有名かというと、それまでに何度も厳しいレースを勝ち抜いてきた、「日本中でどのお馬さんもトップクラスに強い天才馬」ばかりが集まるからです。
ニュースでも大々的に取り上げられて盛り上がるので、初心者の私たちも「あ!テレビで話題になってるからやってみようかな!」と一番参加したくなりますよね。
でも、ここに大きな落とし穴があります。
有名で大きなレースほど、実は初心者には最高に難しいんです……!!
なんせ、走っているお馬さんが全員「最強レベル」なので、正直どのお馬さんが勝っても全くおかしくありません。新聞を見ると「この馬が一番強くて勝つ確率が高い!」とされている『人気の馬』はもちろんいるのですが、大レースになればなるほど、その人気の馬が勝つとは限らないのが競馬の恐ろしさ。
実は私も、「日本ダービーはせっかく前日に現地に行ったし、お祭りだから!」と思って、翌日のダービー当日にワクワクしながらお家でスマホから馬券を買って参戦してみたんです。
結果は……見事に「惨敗」でした(笑)。
「えっ!あんなに前評判で強いって言われていた人気の馬が負けちゃうの!?」と、テレビの前で開いた口が塞がらないほどビックリ。どの馬も強すぎて、展開一つで順位がガラリと変わってしまう。話題のレースの華やかさの裏にある、本当の難しさを身をもって知った、ほろ苦い思い出になりました。
競馬が100倍深くなる!Netflixのドラマ『ロイヤルファミリー』のススメ
そんな大レースの難しさに直面したからこそ、私は競馬をもっともっと違う視点から楽しむようになりました。そのきっかけになったのが、少し前にNetflixで観たドラマ『ロイヤルファミリー』です。
このドラマは、お馬さんを愛情込めて育てる牧場の人、大金を投じて馬を所有する馬主さん、毎日馬の調子を管理する調教師、そして命を預かって走る騎手など、「数え切れないほどたくさんの人の情熱と人生が関わって、初めて一つの競馬という世界ができている」という濃密な舞台裏を描いた作品でした。
もの凄くお金もかかるし、何より多くの人の手が不可欠な仕事。
私はこのドラマを観て、「競馬って、ただのギャンブルじゃなくて、こんなに深い世界だったんだ……!」と猛烈に感動したんです。
走っている一頭一頭のお馬さんたちの後ろには、関わってきた人間たちと紡いできた熱い「物語」がある。そう思うと、馬券がハズれて惨敗したとしても(笑)、「あのお馬さんも、関わっているスタッフさんもみんな格好良かったな」と、競馬場に行きたくなる不思議な魅力があります。
今後も競馬事業は、人手不足など色々な現実の課題に直面していくのだと思いますが、この素晴らしい文化とドラマがずっと続いてほしいな、私も一人のファンとして応援したいな、と心から思えるようになりました。
最後に:自分の分析がレースと一致したときの「最高の快感」
馬の得意なコース、今回のレースの距離、枠順の有利不利、午後からの難易度の変化、大レースの洗礼、そしてその裏にある人間たちのドラマ……。
お馬さんの身体的な能力だけでなく、こうして様々な条件を自分なりに「あーでもない、こーでもない」と赤ペンを動かして分析していく時間。
そして、ファンファーレが鳴り響き、ゲートが開いた瞬間。自分が頭をフル回転させて組み立てた分析のパズルが、実際のレースの展開とピタリと一致した瞬間は、言葉にできないほど「やったーー!私の読み通り!!」と、もの凄く嬉しくて最高の快感を味わえます。これは、ただなんとなくお馬さんを眺めていただけでは絶対に味わえなかった、一歩踏み込んだからこそ知れた競馬の本当のロマンです。
知識ゼロのビギナーズセミナーから始まった私たちの競馬場めぐり。
3回目にして、初めての乗馬体験に感動し、馬場内の肉フェスを満喫し、さらに新聞のディープな分析の楽しさや競馬の持つ深いドラマまで理解できるようになって、競馬の楽しみ方のレベルが確実に上がっている実感が持てて本当に充実した週末でした。
毎週行くのは大変ですが、「1ヶ月に1、2回くらい」のマイペースで、これからも夫婦で仲良くステップアップしていけたらいいなと思っています!
全2回にわたる3回目の東京競馬場レポート、最後までお読みいただき本当にありがとうございました!
(東京競馬場ステップアップ編・完)
