挑戦

【後編】新幹線を「動く書斎」にするヒント&トンネルを抜けた先の新潟の青空

大宮駅を出発してから、早いもので1時間近くが経過しました。

前編では、憧れの「新幹線ノマド作業」に意気揚々と挑戦したものの、車内Wi-Fiもスマホの電波もことごとく全滅し、結局はオフラインのiPad「メモ」アプリに思考を打ち込むスタイルに切り替えたお話や、静まり返った車内に響き渡るキーボードの打鍵音に冷や汗をかいた失敗談をお届けしました。

アクシデント連続のスタートではありましたが、新幹線の中でリアルタイムに溢れ出る感情やアイデアをメモに留めていく作業は、思っていた以上に心地よく、気がつけば旅も後半戦に入っています。

後編では、実際に作業してみて分かった「新幹線ノマドを快適にするためのリアルな注意点やガジェットの工夫」、新幹線という空間の魅力、車酔い対策、そして窓の外の景色と車内の夫婦のドラマについて、余すことなくたっぷりとお届けします!

新幹線という空間の凄さ――圧倒的な広さと「動く書斎」としての進化

今回、久しぶりにじっくりと新幹線に乗って作業をしてみて、改めて実感したことがあります。 それは、「新幹線の座席って、本当に広くて快適だな」ということです。

私は普段、旅行や移動で飛行機を利用することもあるのですが、飛行機の普通席と比べると、新幹線の座席の前後左右のゆとりは圧倒的です。リクライニングを倒さなくても背もたれの角度に余裕があり、隣の席との間隔も程よく開いているため、パーソナルスペースがしっかりと保たれています。

特に感動したのが、足元のスペースの広さです。 今回は1泊2日の旅ということで、足元にそこそこ大きめのキャリーケース(スーツケース)を置いているのですが、それでも足を伸ばせるくらいのゆとりがしっかりと残っています。

「流石に足元にスーツケースを置いたままテーブルを出して作業をするのは、ちょっと狭くて苦しいかな…?」と乗車前は心配していたのですが、実際にやってみると全く問題ありませんでした。膝の上にiPadを置いても、前のテーブルを引き出して使っても、身体に圧迫感を覚えることはありません。

また、いつでも立ち上がってトイレに行けるという心理的な安心感も、長時間の移動や作業においてはとても大きなメリットだと感じます。飛行機のように「ベルト着用サイン」の点灯を気にすることなく、自分のタイミングやペースで席を立てるのは電車旅ならではの良さですよね。

そして、座席の前のポケットに入っていた車両案内誌を何気なくパラパラとめくっていたところ、非常に興味深い発見がありました。

東北・北海道・上越・北陸新幹線には、平日限定で「トレインデスク(9号車)」という普通指定席が導入されているそうなのです!

これは、車内で仕事や勉強をする人を優先する専用車両で、Web会議(イヤホン着用)や携帯電話での通話、PC作業などが認められているとのこと。まさに「移動するオフィス」や「走るカフェ」のような存在です。

「新幹線は単なる移動手段ではなく、時間を有効活用するための『動く書斎』へと進化しているんだなぁ」と、時代の変化にしみじみ感心してしまいました。

今日は土曜日なのでトレインデスクの運用はありませんが、働き方や旅のスタイルが多様化している現代において、新幹線の使われ方もどんどんスマートに変化していることを実感した瞬間でした。

実録!「新幹線ノマド」を快適に楽しむための注意点とノウハウ

今回、初めて新幹線の中でまとまったブログ作業(下書き・思考整理)をしてみて、良かった点だけでなく「ここは気をつけるべきだったな」という改善点や気づきがたくさん見えてきました。

今後、新幹線で作業をしてみたいと思っている方へ向けて、私の実体験から得たリアルな注意点とアドバイスを詳しくまとめておきます!

1. ネット環境はほぼ期待できない(飛行機よりも繋がらない!?)

前編でも熱弁しましたが、新幹線のネット環境は「ほぼ期待できない」と思っておいた方が無難です。

個人的には、「飛行機の中で有料Wi-Fiを使うよりも繋がらないのでは…?」と思ってしまうほどでした(笑)。上越新幹線のように山間部を通ったり、次々とトンネルに入ったりする路線では、車内Wi-Fiどころかスマホの4G/5G回線すら完全に途切れて圏外になってしまいます。

「ネットで調べ物をしながら作業する」「クラウド上のデータを編集する」「SNSを更新する」といったオンライン前提の作業は諦め、オフラインで完結する「メモアプリでの下書き」「アイデア出し」「構成案づくり」、あるいは「Kindle等での読書」に割り切るのがスマートです。

2. 充電ケーブルは「長め(1.5m〜2m)」を用意すべし!

最近の新幹線は、窓側だけでなく全座席にコンセントが完備されている車両が増えており、バッテリー切れの心配がないのは本当にありがたいポイントです。

ただし、ここで一つ大きな盲点があります。それは「充電ケーブルの長さ」です。

コンセントの位置(前の座席の下部や肘掛けの下)から前のテーブル、あるいは自分の膝の上まで距離があるため、スマホを充電しながら足元に置いておくだけなら短めのコードでも問題ありません。

しかし、「充電ケーブルに繋いだままPCやタブレットを手元で操作して作業する」となると、短いコード(1m未満のもの)ではピンと張り詰めてしまい、非常に作業しづらくなってしまいます。

新幹線で充電しながらゆったり作業をする予定の方は、少し長め(1.5m〜2m程度)の柔らかいケーブルを鞄に入れておくことを強くおすすめします!

3. 三半規管が弱い方は無理をしない!車酔いトラウマと食の工夫

新幹線での作業で一番気をつけなければいけないのが、何と言っても「車酔い(乗り物酔い)」です。

実は私、子供の頃に新幹線で激しい乗り物酔いを経験したことがあり、それ以来「新幹線に乗ること」自体がしばらくトラウマになって恐ろしかった時期がありました。あの胸がむかつく嫌な感覚は、何歳になっても忘れられないものです。

大人になった今ではだいぶ慣れてきましたが、それでも揺れる車内でスマホやタブレットの画面を凝視していると、ふとした瞬間やカーブの際にクラッとした感覚を覚えることがあります。

三半規管が弱い方や車酔いしやすい方は、新幹線での無理な画面作業は絶対に禁物です。せっかく楽しみにしていた旅先に到着したのに、気分が悪くなって倒れてしまっては本末転倒ですからね。

そんな私が普段から実践している車酔い対策をご紹介します。

  • 乗車前の食事は「胃に優しい食べ物」を選ぶ: 新幹線に乗る前は、ラーメンや揚げ物などの脂っこい食べ物は絶対に避けます。胃に負担がかかると酔いやすくなるため、うどんやおにぎりなど消化の良いものを選ぶのが鉄則です。
  • 「炭酸水」を相棒にする: 車内には冷たい炭酸水(無糖のレモン炭酸水など)を持ち込むようにしています。少し胸がモヤモヤしたときに炭酸水を一口飲むと、胃がスーッと落ち着く感覚があり、リフレッシュできます。
  • メリハリをつけた過ごし方をする: 「トンネルの中だけ集中して作業する」「景色が良い区間はパソコンを閉じて景色を楽しむ」「少しでも危ない(酔いそう)と思ったら潔く画面を閉じて横になって寝る」など、自分の体調を最優先にした過ごし方を意識してくださいね。

無理をして作業をするくらいなら、ゆっくり目を閉じて体を休める時間に当てるのも、立派な新幹線の過ごし方です。

4. 荷物の「引き算」と「読書」という選択肢

出発前、「より作業効率を上げるために、重いノートパソコンを持っていくべきか?」とかなり悩みました。ですが、結果としては「iPad(またはスマホ)にして大正解」だったと思っています。

ノートPCを持っていくと、本体の重さだけでなく、かさばるACアダプターや大きな充電ケーブル類もセットで持ち歩かなければなりません。旅行中ずっとその重い荷物を持ち歩き続けるリスクを考えると、新幹線の中だけの作業のためにPCを持ち込むのは少し考えものかなと感じました。

もし「作業道具を持ち歩いて荷物が増えるのは嫌だな…」「旅行中に重い鞄を持ち歩きたくない」という場合は、スマホ1台だけでメモを取るか、いっそ作業はお休みして文庫本や電子書籍を読む(読書)時間に当てるのも素晴らしい移動時間の使い方だと思います。

スマホ1台で作業をする場合は、ついつい作業に夢中になって電池を使い切ってしまわないよう注意してくださいね。現地に到着してから「写真が撮れない!」「地図が見られない!」となっては困るので、モバイルバッテリーの準備もお忘れなく。

自分の旅のスタイルや体力、荷物の量に合わせて、無理のない引き算を考えることが大切です。

5. 繁忙期は「指定席」一択!自由席のリスク

前編でもお話ししましたが、夏休み期間や連休などの混雑期は、+700円を払ってでも「指定席」を確保することを強くおすすめします。

混雑した自由席だと「そもそも座れるかどうか分からない」「席を探して車内を移動しなければならない」という大きなリスクがありますし、立ち客でごった返す中で作業をするのはかなりのストレスになります。

たった700円の追加で「確実に座れて、パーソナルスペースと作業環境が確保できる」なら、これほどコスパの良い投資はありません。落ち着いてカフェ気分を味わいたいなら、迷わず指定席を選びましょう。

6. 降りる時間の「アラーム設定」と早めの片付け

新幹線作業で意外と盲点になるのが、「目的地の駅を通り過ぎてしまうリスク」です。

自分が終点(東京駅や新函館北斗駅、新潟駅など)で降りるなら良いのですが、今回のように「燕三条」といった途中の駅で降りる場合は、時間に細心の注意を払う必要があります。

作業に集中(没頭)しすぎていると、車内アナウンスを聞き逃してしまい、気づいたらドアが閉まる直前……なんていう大惨事にもなりかねません。

大きなスーツケースを持ち、iPadやキーボードを鞄にしまい、上着を着て……なんて作業を到着直前にやろうとすると大パニックになります。

到着予定時刻の10〜15分前にはスマホのアラームをセットしておき、アラームが鳴ったらサッと作業を終了して荷物をまとめる。これが、スマートな新幹線ノマドの鉄則です。

隣で爆睡する夫と、車窓の天気が紡ぐドラマ

今回の旅は、夫の仕事の前泊に同行する形での1泊2日。

新幹線に乗る前、私は密かに「車内で夫と一緒に『新潟に着いたらまず何食べようか?』『どこに行こうか?』なんてガイドブックを見ながら楽しくおしゃべりしたいな」という淡い期待を抱いていました。

しかし、実際の車内の様子はというと……

隣の夫は、乗車して早々に大爆睡(笑)。

気持ちよさそうな寝息を立てて、完全に自分の世界に入り込んでいます。

「ちょっとくらい起きて話に付き合ってくれてもいいのに…」と、最初は少しだけ寂しい気持ちになりました。せっかく一緒に旅行に向かっているのに、隣でずっと寝られていると、一人取り残されたような気分になりますよね。

けれど、すやすやと眠る夫の横顔を見ているうちに、ふと気持ちが和らぎました。

「そうか、夫は明日大事な仕事があるんだもんな。仕事に備えて、今のうちに体力を温存しようとしているんだな」

そう思うと、寂しさよりも「毎日お仕事お疲れ様」という愛おしい気持ちが勝ってきました。夫にとってこの移動時間は、明日の活力やすっきりと動く頭を取り戻すための、貴重な休息時間なのです。旅の前にしっかりと体力をつけておくことも、旅や仕事を思いっきり楽しむためには欠かせない要素ですよね。

「それなら私は私で、景色を見たりブログを書いたりして、この一人の時間を思いっきり楽しもう!」

夫を起こさないように静かにキーボードを叩きながら、私は窓の外に目をやりました。

出発地である大宮駅を出たときは、どんよりとした曇り空でした。 埼玉から群馬へと進むにつれて、窓ガラスにぽつりぽつりと雨粒が当たり始め、「あれ?今日は新潟も雨なのかな…せっかくの観光なのに大丈夫かな」と少し不安が頭をよぎりました。

新幹線はスピードが速いので、「景色をのんびり楽しむという感じではないのかな?」とも思っていたのですが、流れる景色の変化を追うだけでも十分に旅行気分を味わうことができます。

そして、新幹線が越後湯沢の長いトンネル群へと吸い込まれ、それを幾つか抜けていくと、車内の明るさが劇的に変わったのです。

パッと視界が開けた瞬間、窓の外に広がっていたのは、緑豊かな山々と眩しいほどの青空でした!

さっきまでの曇り空や雨が嘘のように、新潟の空はすっきりと晴れ渡っていたのです。

「わぁ、晴れてきた…!」

窓から差し込む明るい光を見て、一気に胸が高鳴りました。「逆に暑くなるかな?」という少しの心配もありつつも、やっぱり旅先が晴れているというのは何よりも嬉しいプレゼントです。

暗く長いトンネルを抜けるたびに景色が目まぐるしく変化し、最後には鮮やかな青空が出迎えてくれる。このドラマチックな景色の移り変わりをリアルタイムで体感できることこそ、陸路を行く新幹線旅の醍醐味だと感動しました。

結び:ネットは繋がらなくても、新幹線作業は最高の体験だった

大宮駅から約1時間半。そろそろ燕三条駅への到着アナウンスが車内に流れ始めました。

今回の「新幹線ノマド作業」を振り返ってみると、当初思い描いていたような「快適なWi-Fi環境でスイスイ検索しながらブログを執筆する」というスマートな姿とは程遠いものでした。

ネットに繋がったのは新幹線に乗っている間、本当に「ほんの一瞬」だけ。 車載Wi-Fiもスマホのモバイルデータ通信も全滅し、キーボードの打鍵音にはハラハラさせられ、結局はiPadの「メモ」アプリにひたすら思いを吐き出すオフライン作業となりました。

しかし、不思議なことに、終わってみると「やってみて本当に良かった!ものすごく楽しかった!」という充実感で満たされています。

移動時間を活用して事前にブログのアイデア出しや記事の下書きを済ませておけたことで、「帰ってからのブログ更新どうしよう」「ストックがなくなったらどうしよう」という旅行後の焦りから完全に解放されました。

旅行中の「ブログのプレッシャー」をゼロにできたことで、これから始まる新潟観光を心から無邪気に楽しむための「心の余裕」を手に入れることができたのです。

さて、スマホの到着アラームが優しく鳴りました。 夢中になって書いていたiPadのメモアプリを閉じ、ガジェット類を素早く鞄へと片付けます。

そして、隣で気持ちよさそうに爆睡している夫の肩を優しく揺すりました。

「ねえ、もうすぐ着くよ。起きて!」

目をこすりながら起き上がる夫と一緒に、大きな荷物を抱えて席を立ちます。

ネットは繋がらなかったけれど、私の心には最高の旅のスタートダッシュが刻まれました。 ここからはパソコンもタブレットも鞄にしまって、思いっきり新潟の街と美味しいご飯、そして夫との時間を楽しんできたいと思います!

今回の新幹線ノマドで溜めた旅のワクワクが、どんな新潟旅行につながるのか。 旅の詳しい様子やおすすめスポットは、また別の記事でじっくりご紹介しますね。

それでは、燕三条に行ってきます!